雨降って おまけ

ジョナサンは頭を抱えていた。
双子の誕生日が近いので、欲しいものを聞いたのだ。
驚いたが、二人とも同じものを欲しがった。
「ジョナサン、どうした?本でも読み過ぎたか?」
そう言いながら、ディオは額に手をあててきた。頬や首も触る。どうやら、熱がないか確かめているらしい。
「違うよ……。ほら、ジョージとディーナに欲しいものを聞いたんだ」
熱はないと分かると、手が離れていく。
「二人は何が欲しいと?」
「妹か弟だって」
沈黙。
子供がどうやってできるか、幼いあの子たちは知らない。
こうのとりが運んできてくれることはないのだ。
「よし、ジョナサン、二人のために頑張るぞ」
「うん……え、ええ!?」
驚いて彼女を見る。
「誕生日には間に合わんが、できないことはない」
そう言うディオは、どうやら大真面目に考えているらしい。
「そ、そうだけど……」
「二人には、違うもので欲しいものがあるか聞く」
彼女は二人を探して、部屋を出ていった。
もしかしたら、今夜から頑張らないといけないのかもしれないとジョナサンは苦笑した。

「二人とも、誕生日は弟か妹以外で何が欲しい?」
「えー、ダメなの?じゃあ、あの父様の不思議な力!」
「ぼくも!お水の上、歩いてみたい!」
「……それ以外で」
双子は不満そうに声を上げた。
これは、ツェペリか彼の兄弟弟子に連絡を取った方がいいのかもしれないと、ディオは考えていた。


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後書き
次はジョルノみたいな子が産まれるんじゃないですかね(適当)
二人の子供ですから、ちょっとずれているぐらいが丁度いいんだと思ってます


2013/05/24


BacK










雨降って おまけ2

昼下がり、夫は子供たちとでかけ、ディオはただ一人、部屋で本を読んでいた。
時計が時刻を告げるように鳴り、そろそろ帰ってくるのではと見ていた本を閉じた。
部屋を出て、玄関に向かうと、扉が開いた。
そこには、自分の息子と娘。
こちらの姿を確認すると、まっすぐに走ってくる。
「ただいま、母さん!」
「ただいま!」
「おかえり」
少し屈んで、飛び込んできた彼らを抱きしめる。
抱きしめるのをやめると、子供たちは今日してきたことを喋り出す。
二人の口元に指を持っていく。
「そこまでた。後はおやつを食べながら聞こう。手を洗ってきなさい」
二人は元気よく返事をし、手を洗いに行く。
「ただいま」
「おかえり、ジョナサン」
彼の方を見ると、腕を広げて立っていた。
「……何をしている?」
「ぼくにはしてくれないのかい?」
「何を?」
「二人は抱きしめてたじゃあないか」
どうやら、子供たちにしたことをしてほしいらしい。
期待の眼差しで見つめながら、待っている。
「……お前にはせん」
「なんでさ?」
「子供ではないだろう」
「いいじゃあないか」
彼は腕を広げたまま動かない。
ため息をつき、彼に近づく。
「おかえり……ジョナサン」
彼を抱きしめると、力強く抱きしめてくる。
「ただいま、ディオナ!」
無邪気に喜ぶ彼に、大きな子供だと笑うしかなかった。

「また、イチャイチャしてる」
「父さん、母さんのこと大好きだから」
物陰から二人を見守る子供たちは、顔を見合わせて呆れていた。

「何をしていたんだ?」
「父様と湖、散歩した!」
「ディーナは向こう側まで行くから、父さんと追いかけたよ」
「追いかけっこだったね」
「お前たち……地面があるところで遊べ」


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後書き
波紋を習得している子供たち
ディオも習得できるのかな
そうしたら、リサリサみたいにいつまでも若いのだろう


2013/05/24


BacK