再会
その人は救いたい人物の一人だった。
自分を守ってくれた愛しい人。あの時、子供だった自分は守りたいと言っても、やはり守られていた。
そして、皆を守るために犠牲になった人だ。
「ラ、イトさん?」
震える唇で名前を呼ぶと、あの頃と変わらないその人は自分を見つめる。格好は見慣れない鎧姿になっているが、あの時と同じだ。
「ホープ……?」
自分は成長し、身長も伸び、顔も大人びた。わからないのも無理はないのかもしれない。
「ライトさん!」
駆け寄ると、彼女を見下ろす形となる。見上げていたはずの存在だったのに。困惑しているその表情を上から見ているのが不思議でしょうがない。
「僕です、ホープです!」
「大きくなったな……ホープ」
感心しながら、穴が空くのではないかと思う程、見つめられた。
「あんなに小さく、細かったのにな」
見上げる彼女は、過去を思い出しながら笑う。
「ライトさん」
名を呼び、彼女を胸に抱いた。守ると言いながら、抱きしめられたのは、今でも覚えている。
確かなぬくもりと、触れる体に安心する。そのまま腕が通り抜けてしまうのではないかと、不安だった。本当にここに存在するのかと、確めたかったのだ。
「ホ、ホープ……!」
戸惑う声が耳に届く。恥ずかしいのだろう、抵抗してきた。
おかまいなしに抱く力を強くする。
「今度は、僕が守りますから」
今は自分の腕に入る程、彼女は小さい。自分は大きくなった。成長もした。
ライトニングの背を見ていたが、今度は自分が前に立つのだ。
いきなり抱きしめられ、驚いた。
小さな存在だった彼は、成長し、自分の背も追い越していた。体格もよくなっている。
離してもらおうと、少し抵抗してみたが、びくともしない。
「今度は、僕が守りますから」
低くなっている声と言葉にこもる力強さ。あの頃のホープではないのだと実感する。
久しぶりの人の体温に安心していく。こうやって人に触れられたのは、いつぶりだろうか。
そっと背中に腕を回す。腕に入りきらない体。
「頼りにしてるよ、ホープ」
もう自分が守らなくてもいいのか。それが少し寂しく思えた。